国内には数多くのFXブローカーが存在しますが、一見同じように見えてそれぞれ特徴があります。その特徴を把握した上でトレードを行うことで、より良いリザルトを残せるようになると考えています。
逆に考えると、自身のトレードスタイルに合わないブローカーで取引しているとそれだけで不利になり、自身がもっているスキル通りの結果が得られない可能性もあります。
そこで今回は、数日~数ヶ月に渡ってポジションを保有するスイングトレード向けのFXブローカーについて考察します。
スイングトレードの特徴と、特徴に適したブローカーの条件
スイングトレードの最大の特徴は、ポジションを数日に渡って保有することです。
トレードプランによっては、数ヶ月保有するパターンも考えられます。
取引頻度はスキャルピングと比べて少なく、1通貨ペアあたりだと数日に1回というのが基本になると考えます。
そのため、数分単位のトレードを行うスキャルピングとは、向いているブローカーの条件が大きく違ってきます。
スイングトレードに適したブローカーの条件
スキャルピングでは提示値(通常時の)スプレッドが狭いこと、約定速度が極めて速いことが求められますが、スイングトレードでは、常に安定したスプレッドを提供され続けているかのほうが重要だと考えます。
提示されたスプレッドはあくまで「原則」固定
国内FXブローカーの大半は「原則固定」と称して自社のスプレッドを広告表示していますが、「原則でない」時…つまり「例外時」は広告表示外のスプレッドをマーケットで提示します(下画像:ヒロセ通商のスプレッド配信実績:https://hirose-fx.jp/vup/spreadmore/より)。
※検証期間(青枠内)が限定されている。検証期間外の2:00~9:00のスプレッド実績を加えると…?
「金融商品取引法に基づいたスプレッド広告表示に関する自主規制ルール」として、ブローカーが提示している「原則固定」と銘打ったスプレッドは、「その提示値で95%提供していること」が暗黙のルールとして定められているとされています(「95%」が時間的な割合なのか、ティック的な割合なのかは不明だが、片方を満たせばもう片方もだいたい満たしているものと考えられる)。
ということは、天邪鬼的解釈をすると、「約5%(の期間、もしくは頻度)は別に原則固定として提示したスプレッドでなくても良い」ということになります。
スプレッド0.3pips原則固定の通貨ペアがあるとして、あるタイミングで数秒間(もしくは数ティック)だけ100pipsを提示したとしても、ブローカー側は理論上問題ないことになるわけです(時間的割合、ティック的割合両面において)。
ちなみに、「提示値以上のスプレッド」が実際何pipsだったのかは、どのブローカーも明言しません。
※している(毎月のように定期的に報告する)ブローカーがあったら教えてください。
FX業界を騒がせたスプレッドにまつわる事件
楽天FX(旧FXCM)が、2016年3月17日に起こした一件は、スプレッドの拡大規模や被害者の多さから、FX史における事件の1つとして記憶に残っている方も多いと思います。
「0.3pips原則固定」の通貨ペアのスプレッドを突然約1500pipsに拡大するなど、普通考えられません(下画像:当時のチャートとプライスボード)。
(左、Bid、右:Ask)
Bid, Askともに中央値から離れるようにスプレッドが設定されているため、ロング・ショート双方のトレーダーが損失を被る形になっています。
この案件に関して、楽天FXはなぜかロールバックする対応を取った(スプレッド拡大前の状態の口座残高に戻した)ようですが、このような一件が発生した時に毎回毎回ロールバックする保証はありません。
例えばこれが1500pipsでなく75pipsくらいだったら、おそらく規約(詳しくは後述)を盾に無視すると思います(今回は言い逃れするには少しスプレッドが大きすぎた)。
このような被害に合わないためにも、ブローカー選びは慎重に行わないといけません。
※チャートをよく見ると、流動性の高い(欧州市場)目立った指標発表もない時間帯なんですけどね…
スプレッドが拡大するパターンとその理由
大きく分けると2パターンに分かれます:
ファンダメンタルズ要因
国内ブローカーの大半が採用する相対取引(OTC)では、指標発表前後や要人発言等によるレートの急変動に対してスピーディーな対応が取れない。
その結果、顧客(トレーダー)からの注文に対するカバー取引(ブローカーと契約している銀行間での取引)が間に合わなくなる可能性が考えられる(下図がOTCのフロー例、(a)が通常フロー、(b)がカバー失敗パターン)。
その対策として、スプレッドを拡大することでカバーが遅れてもトレーダーの注文に対応できるようにする(トレーダーが実際のレート ―インターバンクレート― よりも不利なレートで約定したら、もしカバーが遅れてもブローカーは損しない、という理屈)。
そのしわ寄せ(ブローカーの自己防衛)が、結果的にトレーダー側に影響する(不利なレートでの約定・決済)。
低流動性リスク要因
市場参加者が少ないことでインターバンク(≒カバー先の銀行)において買値と売値が乖離しているため、ブローカーが顧客からの注文に対してカバー取引を行えないというリスク。
これも先ほど同様、スプレッドを拡大することで対応する(トレーダーは不利な取引を強いられる)。
「約定拒否」が発生する時も、大半はこの低流動性リスク要因によるものと考える。
2パターンがもたらされる例として次のようなものが挙げられます:
・指標発表前後(ファンダメンタルズ要因)
・要人発言等による急騰・急落時(ファンダメンタルズ要因)
・マーケットがクローズする直前、オープンした直後(低流動性リスク要因)
・日本時間の早朝(低流動性リスク要因)
・年末年始(低流動性リスク要因)
トレーダーは急なスプレッド拡大による損切りを了承している
さて、上記(楽天FXのスプレッド1500pips)の件では、失われた資産がロールバックによってかろうじて戻されたらしいですが、基本的にスプレッドの一時的な拡大(乖離)による損失は「リスクの一部」として解釈され(流動性リスク)、資産は戻ってきません。
なぜかというと、一般の国内ブローカーでは、口座開設時に上記のような案件が起こりうること、そしてそれが「起こりうるリスクの一部であること」として同意している(≒させられている)からです。
例:外為オンラインにおける口座開設時のフロー
① 店頭外国為替証拠金取引 説明書(https://www.gaitameonline.com/pdf/FxTradeGuideKojin.pdf)より、pp.4-5、「1-2. 店頭外国為替証拠金取引 店頭外国為替証拠金取引における主なリスク」 の「(2)流動性リスク 」にて流動性リスクの可能性について記述(下画像:口座開設時に確認する文書)
※内容の転載を禁じられているため、個々でお読み願います
② 店頭外国為替証拠金取引に関する 確認書(https://www.gaitameonline.com/pdf/kakuninshokojin.pdf)で、「(流動性)リスクを理解しています」という条文がある(1や8がそれに該当)
③ 口座開設時に、「上記内容を読んだこと、そして同意する場合チェックを入れる」プロセスがある(下画像:同意チェックリスト)
※同意しないと口座開設できない
だいたいどこのブローカーも、同じような手順でもって「スプレッドが何らかの理由で拡大し損切りに合ったとしても、それはFXにおけるリスクの一部である」ということを同意させています。
現時点で口座を開設し、トレードを行っている人は、全員スプレッドの急な拡大による損切りを了承しているということになります。
スイングトレーダーが行うべき最初の作業
スイングトレーダーにできるのは、「有事や低流動性時のスプレッド拡大度合が小さいブローカーがどこか検証し、条件が良いブローカーを選定し、そのブローカーを利用すること」です。
これは、安定的に勝てるようになるためにトレード手法を構築して検証するのと同様に、大切なことだと考えます。
スプレッド拡大調査
「条件の良いブローカー」を選定するために、選定対象のブローカーについて有事の際のスプレッドの拡大具合を調査しました。
調査方法
スプレッド拡大が予想されるタイミングの各ブローカーのプライスボード画面を録画し、一定期間におけるスプレッドの最大値を観測する(下図:キャプチャ例)
※映っているプライスボードは、デューカスコピージャパン、ヒロセ通商、みんなのFX、DMM FX、SBI FXトレードの5社
観察したブローカー
・外為オンライン
・DMM FX
・ヒロセ通商
・SBI FXトレード(10001~100000通貨時スプレッド)
・Oanda Japan(ベーシックコース)
・デューカスコピージャパン
・みんなのFX
観察した通貨ペア(全12通貨ペア)
・USDJPY
・EURJPY
・GBPJPY
・AUDJPY
・EURUSD
・GBPUSD
・AUDUSD
・EURGBP
・EURAUD
・GBPAUD
・USDCHF
・EURCHF
→主要通貨である米ドル、日本円、ユーロ、ポンドの4通貨と豪ドルで構成できる10通貨ペア+ドルフラン(USDCHF)、ユーロフラン(EURCHF)を合わせた計12通貨ペア
実際に観察した時間帯
・指標発表前後:発表約1分前~発表から約5分後の間
・週明け:オープン~約10分間
週明けのオープン時刻について
夏時間帯は、6時オープンのブローカーと7時オープンのブローカーの2種類に分かれています。
一方冬時間帯は、どのブローカーも一律7時オープンとなっています(下記表参照、欧州基準か米国基準かはブローカーによって異なる)。
夏時間帯に関しては、6時オープンのブローカーのほうが相対的にスプレッドの最大値が大きくなります。これは、単に7時オープンよりも流動性がより低い時間帯に取引を開始しているからと考えられます。
ということは、少なくとも夏時間帯(基本的に3月頃~11月頃)に関しては、6時オープンのブローカーよりも7時オープンのブローカーで取引したほうが、スプレッド拡大のリスクが少し抑えられるということがいえます。
備考
・結果の全公開は今のところ考えていません、ご了承ください。
・具体的な数値を提示しすぎると、各ブローカーからお怒りの警告がくる恐れがあるため、表を用いた比較等はせず、箇条書きで結果をまとめています。また、「○○pips以上」といった表現や平均値などを提示することになります、ご了承ください。
・今回の結果はあくまで「観察時」における結果であり、今後永続的に同様の結果が得られることは保証できません。
・画面上では確認できないスプレッドがあったとしたら(画面表示の間で大幅に超えるスプレッドを記録したような場合)、その数値は記録していません(記録できません)。
スプレッド拡大調査結果
指標発表前後
・7社全て観測
・重要な指標発表時(米国雇用統計)は、多くのブローカーが多くの通貨ペアで10pips以上となったことを確認。
・とりわけポンド系通貨ペアは相対的に拡大度合いが大きく、確認した中で最大は70pips(ヒロセ通商のGBPAUD)。
・ヒロセ通商、OANDA Japan(ベーシックコース)が相対的に拡大度合いが大きく、スイングトレード向けのブローカーとは言い辛い印象。
・外為オンラインは拡大する通貨ペア、拡大しない通貨ペアの差が激しく、EURJPY、GBPAUD、EURAUDでは20pipsを超えたが、ドル円は10pipsを超えたパターンがなく、あとなぜかユーロポンドが広がらない(観察した時に限る)
・SBI FXトレード(10001~100000通貨)はEURAUD、GBPAUD、EURCHFの3通貨ペアに関して10pipsを超えたが、それ以外の通貨ペアに関しては10pipsを切っており、比較的優秀なブローカー。
・DMM FXは対象とした通貨ペアが一律9pipsという結果で、広がっているというよりは「広げている」という印象。「一律9pipsに広げている」と書くと聞こえは悪いかもしれないが、他のブローカーと相対的に比較すると優秀なブローカーの数値(なので公開)。
週明け、夏時間帯測定結果
・7社全て観測
・6時オープンのヒロセ通商は、観察した通貨ペア全てで10pipsを超えている。特にポンド系通貨(GBPJPY、GBPUSD、GBPAUD)は全て30pipsを上回っていることを確認。
・同じく6時オープンのデューカスコピージャパンとOANDA Japan(ベーシックコース)も、ポンド系やオージー系で10pipsを超えるスプレッドが確認できるが、ヒロセ通商と比較するとまだ安定。ドル円、ユーロドルなどの取引量の多い通貨ペアは10pipsを切っていたことを確認。
・上記3社で優劣をつけると、デューカスコピー>OANDA>>ヒロセ通商の順
・7時オープンのブローカーの4社(外為オンライン、DMM FX、SBI FXトレード、みんなのFX)は、ほぼ全ての通貨ペアで10pipsを割っていることを確認した(DMMのGBPAUDだけ20pipsオーバー)。
拡大はしているものの、「スプレッド拡大で損切りに合う」というレベルの拡大度合いではない印象。
・通貨ペアごとで見ると、ポンド系通貨ペアが提示値スプレッドよりも相対的に拡大する傾向。
・外為オンラインは、オープンから多くの通貨ペアで提示値通りのスプレッドだった(しかし、「そもそも提示値スプレッドが大きい」ということを忘れてはいけない)
・優劣をつけると、SBI>DMM≒外為オンライン≒みんなのFXの順
週明け、冬時間帯測定結果
・OANDA Japan、外為オンラインを除く5社について観測、全て7時オープン
・最も優秀なのはSBI FXトレードで、12通貨ペアの最大スプレッドの平均値が10.0を切っている唯一のブローカー、10pipsを超えているのはGBPAUDのみ
・次点がデューカスコピージャパンで、ポンド系、豪ドル系通貨ペアのスプレッドが大きい傾向がある
・DMM FXは良好なスプレッドと悪いスプレッドが両極端に分かれている。最大2.4pipsのドル円に対し、GBPJPY、EURAUD、GBPAUDは40pipsを超えており、危険水域
・ヒロセ通商、みんなのFXは全通貨ペア10pipsを超えている。別のブローカーと比較して良くないため、あえてスイングトレード用として使う理由はない
・優劣をつけると、SBI>デューカスコピー>DMM>>ヒロセ=みんなのFXの順
通貨ペアごとの考察
・どのスプレッド拡大パターンにおいても、比較的スプレッドが狭いのはUSDJPYとEURUSD、次点がAUDUSD
・逆に比較的スプレッドが拡大する傾向にある通貨ペアはGBPAUDとEURAUD、次点がGBPJPY
・ポンド系通貨ペアは拡大度合いが大きく、主要4通貨の中で最もリスクの高い通貨といえる
・豪ドル系通貨ペアはAUDUSDを除くとやや拡大する傾向がある
・クロス円通貨ペアは、USDJPYを除くと(意外と?)スプレッドが拡大する傾向がある、世界規模で見ると流通量が少ないためと考えられる
「スプレッド拡大調査結果」から見るスイングトレード向けブローカー
以上の結果より、現状におけるスイングトレードに向いているブローカーは以下のようになりました:
バナー画像をクリックすると各ブローカーの口座開設ページに移動します。
→指標発表時、週明け時ともに相対的にみて優秀
このレベルでも認めないというのであれば、国内ブローカーはどこもNGと言っても過言ではない
→ユーロドル・ドル円は有事でも大きな変動がなく、有用
他の通貨ペアは、スプレッドが広がらない以前に提示値スプレッドが相対的に大きいため、利用するメリットは薄い(AUDUSDは提示値スプレッドが2pipsなので、ギリギリ使えるかもしれない)
→夏時間は6時オープンのため、その点が上記2社と比較して条件が悪い、その点を除くとスイング向けなブローカー
→夏時間帯(7時オープン時)は週明けスプレッドのリスクが低めで有用(冬時間帯は使うべきでない)
有事の際の拡大度合いも許容範囲内
「スプレッド拡大調査結果」から見るスイングトレードでリスキーな通貨ペア
・GBPAUD、EURAUD
→有事の際のスプレッド拡大度合いが、他の通貨ペアと比較して圧倒的に広い
この2通貨ペアはボラティリティが非常に高く、高リワードが狙える通貨ペアではあるが、「スプレッド拡大」の観点から見るとスイングトレードにはやや不向き。
4社についてさらなる条件で絞り込み
候補をある程度絞ることができましたが、残り4社残っているので、各ブローカーの特徴を列記します。
提示値スプレッドで絞り込み
スイングトレードでは、数十pips、数百pipsを狙うトレードを行うことが基本となるため、スプレッドのコンマ数pipsの差は大した差ではないと考えます。が、狭いに越したことはありません。
上述の4ブローカーの主要10通貨ペアのスプレッドを見ると、以下のようになっています:
DMM FX、SBI FXトレード、デューカスコピージャパンの3社が抜きん出ています。
なお、上表のSBIFXトレードは10000通貨までのスプレッドのため、10001通貨以上(100000通貨以下)の場合は以下のようなスプレッドとなります:
クロス円はDMMとSBIが、ドルストレートはデューカスコピージャパンが優勢という印象です。
外為オンラインはやや競争力に劣るスプレッドです。1pipsのドル円、ユーロドルぐらいは許容範囲かなと考えます。それ以外の通貨ペアに関しては、あえて外為オンラインでトレードする必要はないかもしれません。
10000通貨以内の取引ならSBI FXトレードはスプレッド実質「完全固定」
SBI FXトレードは、(1通貨ペアごとで)10000通貨以下の取引量であれば、スプレッドが100%提示値のまま拡大しないという特長があります(2018年2月28日時点)。
公式サイト内「価格配信におけるスプレッド提示率」のデータより、通貨ペアの1~10000通貨におけるスプレッド提示率が全て100%になっていることからその事実が伺えます(下記グラフ内赤枠参照、グラフは18年2月中に公式サイト内より引用)。
これは、「10000通貨量以内であれば提示しているスプレッドで100%取引可能」ということを示しており、指標発表時や早朝(週明け)などにおいても影響されないことから、Forex Tester等で検証した後の実践用としてや、小額でトレードしたい人にはうってつけといえます。
デューカスコピージャパンは取引手数料あり
デューカスコピー・ジャパンでの取引は取引手数料が発生します。具体的には取引金額100万円あたり最大35円(片道)かかります(最小片道10円、下表参照)。
※2018/2/26時点での手数料スプレッドの拡大に対するリスクの前払い…と考えれば安いかもしれません。
手数料は、純資産額(≒入金額)を増やす、一定期間内(30日)により多くの取引を行うといった方法で抑えることができます。
条件によっては手数料を考慮してもデューカスコピーが一番割安になることもあるので、自身の投資額やプランだといくらになるか表を見てご確認ください。
結論
※各ブローカーの名前をクリックすると、口座開設までのフローを説明した記事に移動します。
バナー画像をクリックすると各ブローカーの口座開設ページに移動します。
「スイングトレードに適したブローカー」に求める最重要条件は、有事(指標発表、要人発言など)の際や低流動性時(週明け、日本時間早朝帯など)にスプレッドの拡大が抑えられていることである。
また、十分条件として、週明けオープン時刻が6時オープンよりも7時の方が望ましい(夏時間帯の話)。
以上の条件より、優位性の高いブローカーとして、以下の4社が挙げられる:
4社はスイングトレードに向いているブローカーと考えるが、各ブローカーにおいて次の懸念点があり、懸念点を解消するためには複数ブローカーを使い分ける手が考えられる:
外為オンライン:ドル円、ユーロドル以外の提示値スプレッドが他の優秀なスプレッドと比較して広め
DMM FX:冬時間帯において、一部通貨ペアの週明けスプレッドが相対的に広め
SBI FXトレード:クロス円以外の通貨ペアの提示値スプレッドが他の優秀なスプレッドと比較して広め
デューカスコピージャパン:夏時間帯は6時オープンのため、夏時間帯における週明け直後のスプレッドが相対的にやや広め
結論から考える開設ブローカー最適解一覧
考えられるトレードスタイルに対するオススメ口座をリストアップしました。
① 通貨ペアごとにブローカーを使い分けて効率的に運用したい
SBIFXトレード and デューカスコピー・ジャパン
クロス円はSBI FXトレードで、ドルストレートとユーロポンドはデューカスコピー・ジャパンで取引するのが、コスト(提示値スプレッド)面では高効率
② クロス円通貨ペアのみトレードする予定
SBIFXトレード
クロス円通貨ペアの提示値スプレッド、スプレッド拡大リスクを考慮した場合の最善策(ポンド円のみスプレッド拡大に要警戒)
③ USDJPYのみトレードする予定
デューカスコピー・ジャパン or 外為オンライン
コスト減を重視するならデューカスコピー・ジャパン、リスク減を重視するなら外為オンラインが最善
入金額や取引量によっては外為オンラインのほうがコスト減になる可能性も(取引手数料要確認)
④ とにかくスプレッド拡大のリスクを抑えたい(1取引10001通貨以上)
夏時間帯:外為オンライン and SBI FXトレード
ドル円、ユーロドルは外為オンライン、それ以外(10通貨ペア)はSBI FXトレードで行う
冬時間帯:SBI FXトレード and デューカスコピー・ジャパン
クロス円はSBI FXトレード、それ以外(EURAUD、GBPAUDを除く8通貨ペア)はデューカスコピー・ジャパンで行うのが最善(=実質①と同じ内容)
⑤ 1通貨ペア単位の取引量が10000通貨以下でトレードをする予定
SBIFXトレード
2018年2月末時点でスプレッド拡大のリスク0(=提示値スプレッドが100%提示されている)かつ、10000通貨以下であれば提示値スプレッドにおいても軒並み最狭水準(ドルストレートだけやや競争力低め)
⑥ 通貨ペアごとに分けるのは面倒、1社に絞りたい
DMM FX or SBIFXトレード
コスト減を重視するのであればDMM FX、リスク減を重視するのであればSBI FXトレードが最善
さいごに
本来なら「スプレッド拡大調査」における数値は、ブローカー側が能動的に提示すべきだと思いますが、そうしてない時点である程度察するものがあります。
ブローカーとしては、「原則固定として提示するための条件(実際にそのレートで95%以上提示)さえ満たしているのだから問題ない」という考えが根幹にあるものと考えます。
それは半分正しく、半分は不誠実だと思います。
私たちができるのは、自分がいいと思うブローカーを選んで使い、良くないと思うブローカーは使わないことです。
この記事が、スイングトレーダーにとって価値あるものになれば幸いです。
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